JR東日本パス&はやぶさ号で行く青森弾丸トラベラー [8]

JR東日本パス&はやぶさ号で行く青森弾丸トラベラーのイメージ JR東日本パスと東北新幹線E5系はやぶさ号で、青森に・・・え!?そんな所まで!?“東北のためにできること”の一つとして、東北地方の旅があることを伝えたい。今年はみんな東北に行こう!
公開日:2011-07-06
シリーズ:What we can do for TOHOKU
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下北駅に到着する大湊線のローカル列車キハ100系下北駅に到着する大湊線のローカル列車キハ100系下北駅に到着する大湊線のローカル列車キハ100系下北駅に到着する大湊線のローカル列車キハ100系
※画像はクリックで拡大できます。

大湊線ローカル列車の旅

PM5:03
下北駅に、大湊線の普通列車がやってきた。
「ついに青森弾丸ツアーも折り返しですね」
「ああ、まあそうなんだけど・・・実は、この列車が本番なんだよね」
到着した列車に二人は乗り込む。座席は大湊駅から乗っている地元の人や学生、旅人などですでに埋まっていたので、運転室の横の前方がよく見える場所で立つことにした。

大湊線は、下北半島の陸奥湾側を縦貫する路線で、JR東日本の路線では、唯一自社の他路線に接続しない路線である。「はまなすベイライン大湊線」という愛称が付けられている。普通車の停車駅は、『大湊駅 - 下北駅 - 赤川駅 - 金谷沢駅 - 近川駅 - 有畑駅 - 陸奥横浜駅 - 吹越駅 - 有戸駅 - 北野辺地駅 - 野辺地駅』となっている。
赤川駅赤川駅近川駅近川駅近川駅近川駅
金谷沢駅金谷沢駅 列車は力強くゆっくりと動き出した。これまで乗ってきた車両と比べると明らかにエンジン音が大きく揺れも激しい。それでもこの列車には、これまでとは明らかに違う空気が流れていた。列車は、淡々と走行し、淡々と駅に停車する。そして、淡々と降りてゆく地元の人たち。目の前に広がるのは、畑と田んぼと森と林と空と山と遠くの海と夕日と民家と一本の線路だけ。この一本の線路が、暖かい風景を、懐かしい町を、人をつないでいる。

途中、堀田は、ファインダーの中に海に反射する美しい光をみつけた。穏やかな陸奥湾の海上にキラキラ輝く光、とろけるように優しい色に包まれる空、堀田は、しばしシャッターを切るのを忘れた。
「なんて穏やかな光なんだろう」
堀田は、いつかまた来たときには、陸奥湾を望む海岸にも行ってみたいと思った。
車窓からの陸奥湾と夕日の景色車窓からの陸奥湾と夕日の景色有畑駅有畑駅有畑駅有畑駅
大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色車窓からの陸奥湾と夕日の景色車窓からの陸奥湾と夕日の景色
途中の陸奥横浜駅では、多くの学生が降りていった。ここは大湊線で唯一の列車交換可能駅である。列車交換とは、単線区間の途中の駅などで、両方向からの列車が行き違い(離合)することである。すぐに下り列車が前方に見えてきた。
大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色陸奥横浜駅陸奥横浜駅
陸奥横浜駅陸奥横浜駅陸奥横浜駅陸奥横浜駅陸奥横浜駅陸奥横浜駅
※画像はクリックで拡大できます。
中原は、運転士さんに海が見える絶景ポイントを聞いてみた。
「あと10分くらいで右側に見えてくる海の景色ですね。次の駅を越えてから5分くらいかな。どちらからですか?」
「東京から来ました。電車の運転手さんになって長いんですか?」
「以前は野辺地から先の電車に乗っていましたが、ここ数年は、今乗っている列車を運転しています」
「今乗ってるのって、電車じゃなくて列車?」
「これは列車だよ。電線がないだろう。列車はディーゼルエンジンで動くんだよ」横から堀田が解説した。
「今乗っているのは列車です。おっしゃる通り、電気ではなくてエンジンで動かしているんですよ。だから、停電でも動くんです」と運転士さん。
「へー電車と列車があるなんて知らなかった。確かに電線はないし、この辺の景色がよりきれいに見えていいですね」
「こういう景色は、東京じゃ見られないでしょ。線路に雑草もたくさん生えてる」
言われて見るとたしかに線路には雑草がたくさん生えている。
「抜かないんですか?」
「この辺は、無農薬農家ばかりだから、除草剤がまけないんです」
「なるほど」
とても気さくな運転士さんは、いろいろと話してくれた。走行中に運転士さんと乗客がおしゃべりしている光景、東京では絶対に見ることのないこの光景を眺めながら堀田は、『ナニコレ珍百景』の音楽『展覧会の絵/モデスト・ムソルグスキー』を頭の中に流してニヤニヤしていた。
吹越駅と踏切吹越駅と踏切吹越駅吹越駅吹越駅吹越駅
大湊線の車窓の景色大湊線の車窓の景色大湊線の車窓から見える風力発電の風車大湊線の車窓から見える風力発電の風車大湊線の車窓から見える風力発電の風車大湊線の車窓から見える風力発電の風車
陸奥湾と夕日陸奥湾と夕日 やがて、絶景ポイントが見えてくる。そこには陸奥湾の穏やかな景色が広がっていた。二人はしばし言葉を失い、ただ、ただ、景色を眺めていた。
「これは夢なのか!?」
ローカル列車の狭い空間は、その場所の空気と時間の流れをリアルに感じながら、どっぷりと浸ることができる。都心に住む人間にとってそれは、まるで夢を見ているような不思議な感覚である。時間の速度は一定ではない。旅をしている時間はゆっくり流れる。そういったことにローカル列車の旅は気づかせてくれるのである。

PM6:00頃に列車は、大湊線の終点、野辺地駅へ到着した。いよいよ青森弾丸ツアーも終わりが近づいてきてきた。ここから先は、トントントンと一気に東京へ戻ることになっている。
大湊線の車窓の景色(有戸駅)大湊線の車窓の景色(有戸駅)有戸駅有戸駅北野辺地駅北野辺地駅
大湊線の車窓の景色(野辺地駅)大湊線の車窓の景色(野辺地駅)野辺地駅野辺地駅大湊線の普通列車(野辺地駅)大湊線の普通列車(野辺地駅)
【ルートマップ】下北駅-野辺地駅

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